食品メーカーが人工着色料から離れる中、ADMが天然着色料の生産拡大に約25.5億円を投資

米国の穀物メジャー、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)が、人工着色料に代わる天然由来の代替品への需要が急増していることを受け、ケンタッキー州にある自社施設の拡張に1,600万ドル(約25億5,000万円)の投資を行いました。

既存の生産施設を大幅に拡張


ADMは、今回の大型投資により、2027年初頭までにケンタッキー州ブーン郡の施設に14,000平方フィート(約1,300平方メートル)の製造スペースと最先端の設備を追加。

これにより、食品・飲料メーカー向けに植物由来の天然着色料を展開する「Colors from Nature」シリーズの生産能力を大幅に高め、増加する顧客需要に対応できるようになる見込みです。

このポートフォリオは、ニンジン、ウィト(ジャグアフルーツ)、スピルリナ、赤キャベツ、ビーツ、ムラサキイモ、エルダーベリー、ハイビスカスなどを原料に用いて、赤、ピンク、黄色、緑、青、紫と多岐にわたる色調を網羅。天然由来の着色料への切り替えに伴う、複雑な配合面の課題解決を助けます。

ADMグローバル香料部門の責任者を務めるCalvin McEvoyは、「消費者の嗜好の変化や規制要件の変動に対応する中で、着色料は製品の配合見直しを成功させる上での重要な要素となっている」とコメント。

「原材料の調達・配合からスケールアップ、そして製品化に至るまで、複雑なプロセスを管理・支援できるパートナーが求められている。当社は、グローバルな原材料ネットワーク、地域に根差した製造体制、そして配合に関する深い専門知識を組み合わせることで、外観、風味、クリーンラベル、そして機能性の面で消費者の期待に応える製品を市場に投入できるよう、顧客企業を強力に支援する体制を整えている」と述べています。

米国で広がる人工着色料回避の動き


ADMによると、北米における代替着色料の市場は10億ドル(約1,590億円)を超える規模に達しており、その主な原動力となっているのは、天然着色料への移行を求める規制当局や消費者からの圧力の高まり。

その動きを主導しているのが、ロバート・ケネディ・ジュニア保健長官による「Make America Healthy Again(アメリカを再び健康に)」運動で、国民の3分の2の支持を得て、食品メーカーに対して合成着色料の使用をやめるよう強く働きかけています。

現在、米国で販売されている包装済み食品・飲料のうち、合成着色料が使われている製品の割合は5分の1近くに上るとも。Innova Market Insightsの調査によると、2025年に大手食品企業から発売された新製品の28%に合成着色料が使われていました。

米国食品医薬品局(FDA)は昨年、人の健康と地球環境の双方に有害とされる石油由来の着色料「赤色3号」の使用を禁止。2027年1月に施行予定のこの措置により、業界では「赤色40号」が最も広く使われ始めましたが、こちらも同様に石油由来である上、子供の多動性との関連も指摘されています。

前述のMAHA運動を受けて業界の大手企業は合成着色料を排除する対応を進めるようになり、FDAは各社の公約の進捗状況を追跡できる公開ツールまで導入しています。

こうした状況は代替着色料のメーカーにとっては大きな追い風となっており、イスラエル企業のPhytolonはビーツ由来の赤色色素についてFDAの認可を取得し、展開を計画中。ポルトガルのGRA Nutraも、米国市場向けに発酵由来のβ-カロテン色素を発表しています。

参考記事:
ADM Invests More Than $16M to Expand Naturally Derived Color Production Capacity at Northern Kentucky Facility | ADM
ADM Invests $16M to Expand Natural Colours as Food Companies Shift Away from Artificial Dyes
ADM increasing production of natural colors | Food Business News

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