培養肉の受容性は、民主党支持層でより高い傾向 —米Morning Consult調査

今年11月に選挙戦を控える米国で、Morning Consultが人々の政治志向に関連付けた培養肉に対する意識調査を実施。その結果、共和党支持者に比べて、民主党支持者や無党派の方が培養肉に肯定的であることが判明しました。

食肉をめぐる文化戦争


今月1日、フロリダ州は培養肉の禁止法を施行に移し、州内での培養肉の生産、販売、流通を重罪としました。

同様の法律はアラバマ州でも、10月1日より施行される予定。こうした立法措置は、選挙期間中の米国における食肉をめぐる文化戦争に一役買っています。

培養肉を「フェイクミート」や「ラボグロウン(lab-grown:研究所育ちの意味)」と表現したメッセージは、敵対的、保護主義的であり、誤解を招くものと批判されてきました。

しかしながら、培養肉の規制を望む法案は、共和党が多数を占める上記2州をはじめ、アリゾナ州、テキサス州、テネシー州、ネブラスカ州、ウィスコンシン州でも導入が議論されています。

また、保守的なメディアの中には、米国政府による培養肉研究への助成金拠出を、軍隊を「モルモット」として扱い培養肉を食べるよう強制する動きとして描くなど、意図的に誤った情報を流しているケースもあることが指摘されています。

共和党、無党派では総じて否定的な印象


Morning Consultは、こうした状況下で一般の人々が培養肉をどのように受け止めているかを確認するべく、2,201人の成人に対して調査を実施。

その結果、左派と右派の間で認識に大きな格差があることが判明しました。15%もの人が気候変動を偽りだと信じている米国において、「グローバルエリート」に関する陰謀論がいかに認識を形成しているかを浮き彫りにしています。

民主党、共和党、無党派の支持者層はそれぞれ、培養肉について見聞きしたことのある割合は同程度だったものの、培養肉を環境に良いものとみなしていた民主党支持者のスコア(肯定的な人の割合から否定的な人の割合を引いた値)は36であるのに対し、無党派では9、共和党では7と最も大きな差が開いていました。

その他の回答項目(美味しさ、栄養、健康、価格)などでは共和党、無党派から肯定的な回答は得られず、スコアはいずれもマイナスとなっています。

生産工程の透明性が課題に


すべての有権者で同じ意見が見られたのは、培養肉生産における加工の多さについて。従来の食肉で最も加工が少ないと答えた人のスコアは全体で33、植物性代替肉では14でしたが、培養肉では-10となっていました。

Morning Consultのアナリストを務めるLindsey Roeschkeは、「核心部分の問題ではないかもしれないが、消費者が加工度の高い食品をより不健康な食品と定義していることが問題だ」とコメント。

「企業は生産工程に透明性を持たせることが重要であり、たとえそれが一部の消費者に懸念を抱かせるものであっても、ほかの消費者の信頼構築に役立つかもしれない」と述べています。

参考記事:
Democrats Are More Receptive to Cultivated Meat Than Republicans

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