植物性ホールカットチキンを開発するフランスのUmiamiがSWAP Foodに社名変更、米国進出を果たす

フランスにおける植物性代替肉のリーダー企業Umiamiが、国際的な事業拡大を目指しSWAP Foodへの社名変更を発表。同時に、シカゴを皮切りに「SWAP Chicken」を発売し、米国食品業界への参入を果たしました。

消費者に植物性食品への転換を呼びかけ


英語で「交換」の意味を持つ新たな社名は、グローバルな顧客層に耳なじみのある言葉で、植物性食品への転換を促す狙いがあるとのこと。共同創業者でCEOのTristan Maurelは、「新たな社名は、消費者が自分自身のため、そして地球のために前向きな選択をすることを促す呼びかけだ」とコメントしています。

同社は今年3月、政府からの支援を受けてアルザス地域圏に新工場を開設。国内初の植物性ホールカット肉の大規模生産施設とされるこの拠点では、年間7,500トンの製造が行え、最終的には2万トンまでの増産も可能となっています。

その翌月には、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる国際認証である「B Corp認証」を取得しました。

昨年のシリーズAラウンドでは、3,250万ユーロ(約53億円)の追加調達を実施。2020年の創業から3年間で、融資や公的セクターからの助成金を含めて総額1億ユーロ(約163億円)超を確保しています。

シカゴの複数のレストランでメニューに採用


SWAP Foodが「Umisation」と呼ぶ独自の製造技術は、植物性タンパク質を原料に使用し、過度の熱や圧力を加えることなく、鶏肉の食感と風味を忠実に模倣した構造化繊維を作り出すもの。この技術革新により、均等に火が通り、さまざまな料理に使える柔軟性を持った代替肉の提供を可能にしました。

「SWAP Chicken」は、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、酵母エキスなど8種類の原材料から作られており、遺伝子組み換え作物、人工香料、着色料、メチルセルロースのような食感改良剤は一切使用していません。

1枚90gのフィレは19gのタンパク質を含み、従来の鶏胸肉と同程度の価格設定。広い消費者層にリーチするべく、ハラール認証も取得しました。

米国市場に展開する端緒として、食分野のイノベーションに対するオープンな姿勢で知られるシカゴを選択。すでに地元で人気の複数のレストランで採用されています。

同社はシカゴに続いて、北米のその他の地域でもプレゼンス拡大を続ける予定。CEOのMaurelは、「この製品は、主流の消費者に向けて植物性食品カテゴリーの可能性を解き放つものとなるだろう」と語っています。

参考記事:
SWAP Food Reinvents Plant-Based Meat for the Mainstream Consumer with a Breakthrough Whole Filet Chicken Replacement
Umiami Announces Strategic Rebrand to SWAP as It Pursues International Expansion
SWAP Food Enters US Market With Plant-Based Chicken Fillets Following Umiami Rebrand

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