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アンズの核をアップサイクルしたヴィーガンチョコレート、Kern Tecがスイス発のブランドStellaとの提携で発売

オーストリアのスタートアップ企業Kern Tecが、スイスのチョコレートブランドStellaと提携し、アップサイクルしたアプリコット(アンズ)の種を使用したヴィーガンチョコレートバーを共同開発しました。

果実の加工時に廃棄される副産物を活用


高級チョコレート市場に、革新的な原料と循環型経済のコンセプトを導入する数量限定の新製品「ApriCoa」は、7月1日よりStellaのウェブサイトで購入可能。

なめらかなヴィーガンチョコレートのベースに、アンズの核由来のミルクと、ナッツ代わりのカリッとした種子の粒を組み合わせて作られ、果実の加工時に通常廃棄される副産物を用いています。

Kern Tecは、アンズのほかにもチェリーやプラムといった核果と呼ばれる果物の種をアップサイクルして、高付加価値なオイル、粉末、代替乳製品の原料へと変換。

核果の種子には、アミグダリンなどのシアン化合物が含まれている場合もあり、大量に摂取すると中毒を引き起こしますが、これを安全に処理する画期的なプロセスを開発して、危険性を取り除きました。

食品廃棄物の削減に寄与し、食品・飲料メーカー向けに植物由来の新たな機能性原料を活用する機会を提供しています。

また、消費者向けに「Wunderkern」ブランドも展開し、REWE Group傘下のオーストリアのスーパーBILLAで販売。2023年にはシリーズAラウンドで1,200万ユーロ(約20億3,000万円)調達を行いました。

大手による代替チョコレート製品化の動き


Stellaブランドを保有するStella Bernrainもまた、持続可能なイノベーションを積極的に追い求める姿勢を示しています。

1世紀近くにわたるチョコレート製造の歴史と経験を有し、品質へのこだわり、倫理的な調達、環境責任を重視することで知られる同社は昨年、ドイツ企業Planet A Foodsの「ChoViva」ブランド、スイスとガーナに拠点を置くKoaとコラボ。

Planet A Foodsとは、ヒマワリとブドウのシードパウダーから作られるココアパウダーを使用したチョコレートクッキー、Koaとはカカオの廃棄される部分をアップサイクルしたダークチョコレートを開発しました。

代替チョコレートを手掛けるスタートアップ企業との関与を深める大手企業は増加しており、スイスのLindt & Sprüngli(リンツ)も「ChoViva」を用いた製品展開を行っているほか、カカオの細胞を培養して代替品の生産を試みるFood Brewerに投資を実施。

ベルギーのPuratos(ピュラトス)や日本のチョコレート最大手明治ホールディングスは、同じく培養カカオを手掛けるCalifornia Culturedへの出資や、原料調達の契約締結に至っています。

フィンランドのFazerは、Solar Foodsが開発する空気由来のタンパク質原料「Solein」を用いた製品を、昨年シンガポールで限定販売しました。

参考記事:
Kern Tec | LinkedIn
Kern Tec teams up with Stella for new vegan chocolate featuring upcycled apricot kernels | PPTI News

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