細胞農業の業界団体APAC-SCAとCAAが提携、アジア太平洋地域における規制上の課題に取り組む

細胞農業の業界団体、APAC Society for Cellular Agriculture(APAC-SCA)Cellular Agriculture Australia(CAA)が、アジア太平洋地域全体での発展を促進することを目的とした戦略的パートナーシップを締結しました。

政策や規制に関する意見交換を実施


APAC-SCAは、業界をリードするAleph Farms(イスラエル)、Gourmey(フランス)、Meatable(オランダ)といった培養肉業界をリードする9社で構成され、日本企業ではインテグリカルチャーカナデビア(旧称:日立造船)が加盟。

APAC Regulatory Coordination ForumをGFI APACと共同で立ち上げ、アジア太平洋地域における培養タンパク質製品の規制認可を促進しています。

一方のCAAは、オーストラリアの細胞農業セクター全体にわたって活動するシンクタンク。アニマルフリーの乳タンパク質を開発するCauldron FermNoumiを企業スポンサーに迎え、精密発酵に関するホワイトペーパーの発行や、分野横断的なワークショップの開催を手掛けています。

両団体とも、透明性の向上、科学的根拠に基づく政策策定、そして一般消費者の信頼醸成に努めながら、細胞農業セクターの成長を加速させることに注力してきました。

今後の連携では、政策や規制に関する意見交換を通じて、規制を巡る状況に関するインサイトやベストプラクティスをタイムリーに共有。現状の課題に対処し、細胞農業技術の責任ある開発を支援する統一的な枠組みに貢献することを目指します。

APAC-SCAのプログラムディレクターを務めるPeter Yuは、「細胞農業の繁栄と信頼のおけるエコシステム構築のためには、国境を越えた協力が不可欠だ。このパートナーシップを通じて透明性を高め、規制面の取り組みを調整し、有意義な方法で一般市民を巻き込むべく、各地域の強みを結集させたい」とコメントしています。

注目を集めるアジア太平洋の細胞農業界


両団体がそれぞれ拠点を置くシンガポールとオーストラリアは、未来の食分野をリードする政府レベルの取り組みと、革新的なスタートアップ企業を擁することで知られています。

中でもシンガポールはフードテックの世界的拠点であり、世界で初めて培養肉とガス発酵タンパク質の市場化を認め、アジアでは初めて精密発酵乳タンパク質の販売を許可しました。

オーストラリアでは、培養ウズラ肉というユニークな製品を開発するVowが、今年に入って規制当局からの認可を取得。現在、国内(およびシンガポール)の飲食店で一般向けに提供しています。

また、精密発酵ラクトフェリンを手掛けるAll Gは昨年末、中国と米国の市場に投入するために必要な許可を立て続けに得ました。

アジア太平洋地域のその他の国へ進出や投資を行う企業も増加しており、英国のHoxton Farmsはここ数カ月で住友商事および三井化学との提携を実施。イスラエルのAleph Farmsはタイで規制当局の認可を待ちながら、培養肉工場の建設を進めています。

バイオものづくりのリーダー的存在で、代替プロテインの特許出願数トップ20社のうち8社を擁する中国は、今年さらに政府支援を強化。インドも昨年、技術開発と商業化の加速を目的とした「BioE3」政策を開始しました。今年培養肉への認可が期待される韓国の動向にも注目です。

参考記事:
Peter Yu | LinkedIn
Can This New Partnership Meet Asia-Pacific’s Cellular Agriculture Potential?
APAC-SCA and CAA Team Up to Tackle Regulatory Challenges in Cellular Agriculture Across Asia-Pacific

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