インドのPraj IndustriesがAIを活用した精密発酵ラボを開設、産学連携で技術開発の加速を狙う

インドのバイオテクノロジー企業Praj Industriesが、同国西部のマハーラーシュトラ州プネー郊外に新たな精密発酵ラボを開設。技術の産業化を加速させるべく、政府機関との覚書(MOU)も締結しました。

スケーラブルなバイオ製造の実現へ


インド政府が2024年にバイオテクノロジー界のグローバルハブを目指す「BioE3」政策を発表して以来、大きな注目を集めているバイオものづくり分野。政府の動きを受けて、多くの企業や研究機関が、国内のバイオ製造能力強化のための施設を立ち上げています。

その最新の事例となったPraj Industriesの精密発酵ラボは、次世代のバイオテクノロジーを推進し、インドの「高性能・低炭素バイオ製造」への移行を促すことを目的に、同社の研究開発センター「Praj Matrix」内に新設されました。

ここでは人工知能(AI)を活用し、大規模な精密発酵とバイオプロセスに特化して、効率性の向上、スケールアップに伴うリスクの低減、そしてプロセスの信頼性向上を目指します。

創業者のPramod Chaudhariは、「精密発酵ラボの開設は、当社のイノベーションにおける大きな飛躍だ。生物学と工学、デジタル技術を融合させることで、拡張性のある低炭素ソリューションを生み出したい」と述べています。

同社はまた、政府のバイオテクノロジー庁(DBT)が出資するBRIC傘下の国立細胞科学センター(BRIC-NCCS)との間で、産学連携に関する覚書を締結しました。

この連携は、高度なバイオプロセス処理能力の構築、有用な生体分子や微生物株の発見、研修や奨学金の提供、そして産学連携での共同研究やスポンサーシップ、長期的な協力関係の構築に重点を置いたもの。

BRIC-NCCSが持つ微生物研究、ゲノミクス、細胞培養に関連して蓄積されたデータを生かして、スケーラブルなバイオ製造の実現を加速させる目的です。

官民が「BioE3」政策を強力に推進


インド政府は今月初め、スタートアップ企業の研究開発を支援し、精密発酵やCRISPR-Cas9といった技術の商業化を実現するため、「BIRAC-BioNEST」インキュベーションセンターを開設。

北部のパンジャーブ州では、4億2,000万ルピー(約7億900万円)を投じてバイオテクノロジー庁傘下のバイオファウンドリセンター設置が予定されており、科学技術専管大臣Jitendra Singhの立ち会いの下、先月起工式が行われました。

昨年夏には、ハイデラバードに国内初の動物幹細胞を集めたバイオバンクが、さらに遡ると2024年には、ベンガルールに代替プロテイン分野のインキュベーション拠点とイノベーションセンター(スケールアップ施設)が設置されています。

これらの取り組みはいずれも、バイオ製造の拠点とバイオファウンドリを全国に設立することで技術開発と商業化の加速を目指す「BioE3」政策に沿ったものです。

民間セクターもこの動きを後押ししており、製糖業者のDhampur Bio Organicsはスイスのスタートアップ企業Planetaryと提携して、製糖の副産物を活用したマイコプロテインの生産を模索。PreferCoは、ドイツのバイオテクノロジー大手Glattと提携し、ハイデラバードに精密発酵スケールアップセンターを開設しました。

参考記事:
India’s Praj Industries Opens AI-Enabled Precision Fermentation Lab, Signs Government MoU
Praj Industries Launches Advanced Precision Fermentation Lab | Machine Maker
Praj Industries sets up AI powered precision fermentation lab to accelerate bioeconomy push, signs MoUs with 3 govt bodies – Industry News | The Financial Express

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