GRAS(Generally Recognized As Safe)
GRAS(Generally Recognized As Safe)とは:
「一般に安全と認められている」の意味で、米国食品医薬品局(FDA)の定める、食品添加物の安全性を保証する認証制度。
原則として、新規の食品添加物を使用するためにはFDAの認可が必要とされるが、その物質が「GRAS」とみなされることにより、例外的に事前認可なしでの販売が可能になる。
また、同じ食品添加物を用いて複数の製品を展開する場合、一度GRASステータスを取得していれば、製品ごとの個別認可は不要。
GRASは認証方式の違いで、次の2種類に分けられる。
① Self-Affirmed GRAS(自社による認証):自社製品がGRASに分類されるかどうかの初期判定として、企業が自社で評価を行うもの。第三者機関の専門家により安全性が評価され、FDAの要求事項を満たしていると判断されれば、FDAへの通知は任意で、この時点で販売が可能。
② FDA GRAS(FDAによる認証):①の自己認証の結果をFDAに正式に提出(GRAS Notice)し、審査を受けるもの。審査を通過すると、「FDA has no questions(異議なし)」としてGRASリストに収載される。
①の「Self-Affirmed GRAS」では、安全性データを公に開示せずに済み、企業秘密の保持に役立つ。
一方、②の「FDA GRAS」では、審査期間が最大6〜9カ月とある程度の時間を要するが、FDAの正式なレビューを経ることで透明性・信頼性を高めることができる。
認証された成分については継続的な見直しも行われ、専門家が安全性に疑問を抱くような科学的証拠が新たに得られた場合、FDAは該当成分のGRASステータスを取り消すこともある。
2015年には、トランス脂肪酸が多く含まれる部分水素添加油脂(PHOs)について、GRASの対象から外すことが決定された。