オランダのNoPalm Ingredientsが、発酵ベースの次世代オイルブランド「REVÓLEO」を発表

オランダのNoPalm Ingredientsが、持続可能な発酵ベースの油脂に特化した新ブランド「REVÓLEO」を発表しました。食品および美容業界に向け、環境への影響を抑えた高性能の代替原料を展開します。

廃棄物ゼロの生産プロセス


食品用途の「REVÓLEO Soft」は、非遺伝子組み換え酵母の発酵によって作られた半固形の精製油。製菓・製パン、植物由来の代替肉や乳製品などの多くの用途で、パーム油、ココアバター、乳脂肪といった従来のさまざまな油脂を最大100%置き換えることが可能です。

美容用途の「REVÓLEO Silk」は、同じく発酵により作られ、なめらかな肌触りと伸び、自然なツヤを持ちボディローション、ヘアコンディショナー、カラーコスメなどのパーソナルケア製品に最適なほか、石鹸や化粧品成分の誘導体製造にも原料として使用できます。

いずれも従来のパーム油に比べると土地利用を99%減らせ、排出量も90%少ないのが魅力。農業から出る副産物をアップサイクルして作られ、廃棄物ゼロの生産プロセスを構築しています。

また、EUの規制要件(EUDR)を満たしており、サプライチェーンの安定化にも寄与します。

12万リットルの工業規模生産に成功


NoPalm Ingredientsの共同創業者でありCEOのLars Langhoutは、パーム油のような問題を抱えた油脂に代わる循環型の代替品は、もはやニッチ商品ではなく「必需品」と指摘。

油脂は製品の特性(食品では食感、味、栄養価、美容製品では肌触りや安定性)の鍵となる成分ですが、その製造方法は持続可能性、特に企業のScope 3排出量に大きな影響を与えます。

Langhoutは「設立から3年余りで、大胆なチャレンジを行うブランドとしての確固たる地位を築けたが、その中でより重要なことも見えてきた。ただ置き換えるだけでなく新たに生み出すものとして、REVÓLEOは私たちの次のステップだ」とコメントしました。

同社は昨年、シードラウンドで500万ユーロ(約8億1,000万円)の資金調達を実施。代替パーム油への投資としては欧州最大となったこのラウンドに後押しされ、規模拡大を進めてきました。

400リットルのパイロットラインを稼働させているほか、外部のパートナーを使って工業規模のサンプル生産を行っており、今年の2月には12万リットルというスケールに到達。2026年までには最初の実証施設を立ち上げ、最初の商業バッチを供給する予定です。

先月には、消費財大手のコルゲート・パルモリーブと、2023年に行ったパイロットプロジェクトをベースに、固形石鹸用オイルの生産を拡大する契約を結んだばかり。現在の処方では、パーム由来の添加物や誘導体が含まれる可能性がありますが、完全にパーム不使用の製品を作ることを目標に据えています。

参考記事:
NoPalm Ingredients Introduces Next-Gen Fermentation-Based Oil Brand REVÓLEO
Regulatory & Price Pressure Makes Palm Oil Alternatives A ‘Necessity’, Says CEO

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