Friends & Familyがシンガポールで犬猫向けの培養ペットフードを発売

米国・カリフォルニアのスタートアップ企業Friends & Family Pet Food Co.(以下、Friends & Family)が、シンガポールの小売店で犬猫向けの培養肉製品を発売しました。
ペットの健康問題に対処する成分を配合
Friends & Familyは、培養鶏肉を主原料としたフリーズドライのスナック製品8種類(犬用4種類+猫用4種類)をシンガポールの市場に投入。アジアで初めて培養ペットフードを販売する企業となり、来月には追加で4種類のトッパーを発売し、合計12のSKUを展開予定です。
いずれもタンパク質含有量は60%以上、高い生体利用率を実現するように配合されており、「Pure Protein」は培養ウズラ肉と栄養酵母のみを使用して、筋肉の維持、組織の修復、持続的なエネルギー供給をサポートします。
このベースにプレバイオティクス酵母ブレンドを配合した「Digestive Balance」は、腸内環境と消化をサポートし、有害な細菌を除去。一方、「Teeth & Gum Care」と「Skin & Coat Glowup」は、同じベースにポストバイオティクス(Pediococcus acidilactici由来)とコンニャクをブレンドした製品です。
プレバイオティクスとポストバイオティクスは、歯周病や皮膚のかゆみ、消化器系の問題といったペットの健康問題に対して、臨床試験で効果が確認されたもの。シンガポールでこれらの成分を配合したペットフードメーカーはほかにないといいます。
Friends & Familyの共同創業者でCEOを務めるJoshua Errettは、「口腔衛生の改善をうたうペット用スナックは数多くあるが、そのほとんどは口臭などの症状を覆い隠すだけで、根本原因に対処するものではない」と指摘。
「当社のポストバイオティクスは、口内のマイクロバイオーム(微生物叢)を調整し、口臭の原因となる細菌を減少させる効果が研究により実証されている。さらには歯周病の発症率を低下させる効果もあり、これはペットの寿命を延ばす上で非常に重要だ」と述べています。
新製品はFriends & Familyのウェブサイトのほか、シンガポールの高級ペット用品店VanillaPupとの独占提携を通じて、継続的に販売されます。
品質を武器に、高級ペットフード市場に参入
現在市場に出回っている培養肉のほとんどは、培養物(脂肪やタンパク質)をごくわずかしか含まないハイブリッド製品。これは、培養生産の規模拡大の難しさと高コストを反映した結果です。
英国のMeatlyが昨年2月に数量限定で発売した世界初の培養ペットフードも、植物由来の原材料をベースに、培養鶏肉を4%だけ組み合わせたものでした。
一方、高い含有率を重視するFriends & Familyは、製品の最大70%を培養鶏肉で構成。「ペットにとって違いを生み出すのは肉だと考え、肉を効果的に配合することに力を注いだ。これこそがタンパク質含有量と風味を高め、消化吸収の良い栄養素を提供し、ひいては製品の価値を高めるものだ」とErrettは主張しています。
Meatly製品に比べると割高ですが、8種類のスナックはいずれも22g入りで14シンガポール・ドル(約1,750円)。シンガポール市場においては、Taki Petsをはじめとする国内ブランドや、Vital EssentialsやZiwi Peakのような輸入ブランドと同等の、プレミアム製品の価格帯に位置付けられます。
Errettは、価格は競争上の重要な要素ではないといい、「当社のスナックは市場で最も安い製品ではないが、最も高い製品でもない。この価格帯では、購入の決め手となるのはグラム単価よりも、機能性、タンパク質の品質、消化吸収率、そして健康上のメリットであり、当社はそこに注力している」としています。
アジアに続いて米国での申請へ
Errettはかつて、培養ペットフードの会社BioCraft Pet Nutritionを共同で設立。その後、CULT Food Scienceで副社長を務め、犬用ヴィーガンスナックのブランド「Noochies!」を立ち上げました。
Friends & Familyを創業したのは2024年3月。自社施設でニホンウズラの細胞を7~10日間かけて培養し、バイオマスを少量ずつ収穫して食用の肉を生産しています。昨年7月にシンガポール動物・獣医サービス事務局(AVS)からの認可を取得して、初めて販売が可能になりました。
培養ペットフード業界はここ数年で目覚ましい発展を遂げており、Friends & FamilyとMeatlyのほか、オーストラリアではMagic Valleyが先日培養ドッグフードを発売したところ。
Bene Meat Technologies、Biocraft Pet Nutrition、Umami Bioworksは、欧州連合(EU)において登録を済ませ、ペットフードの原料として展開できる体制を整えています。
Friends & Familyは、シンガポールに加えて米国市場も注視し、米国食品医薬品局(FDA)の下部組織、動物用医薬品センター(CVM)と連携してきました。トランプ政権下で組織再編が行われ、政策決定も混乱を極めている中、現在は様子見の状態ですが、いずれは申請を進める予定。
FDAのGRAS(一般に安全と認められる)認証には、猫を対象とした6カ月間の給餌試験が必要で、次回の資金調達を待って行うこととしています。
参考記事:
Friends & Family | LinkedIn
Friends & Family Pet Food Launches Cultivated Meat for Cats & Dogs in Singapore
Friends & Family Pet Food launches cultivated meat pet food in Singapore retail, as nutrition demand reshapes the category | PPTI News


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