アルファ・ラバルが持続可能な食料生産推進の取り組みを発表、デンマーク・米国の研究機関の連携を支援

スウェーデンに本社を置く機器メーカーのAlfa Laval(アルファ・ラバル)が、環境負荷の低いバイオプロセス技術を用いた食品生産のイノベーション加速を目的とした、デンマーク技術研究所(DTI)と米国・ノースカロライナ州立大学の新たなパートナーシップを支援すると発表しました。

食品イノベーションで欧州と米国をつなぐ提携に


2者間の覚書(MOU)は、先月ニューヨークで開催された「Climate Week NYC」の期間中、デンマーク総領事館主催のイベントで調印式が行われました。

この提携は、産業界・学術界・政府間の連携を構築して、バイオテクノロジーと食品イノベーションにおける強みで知られているデンマークとノースカロライナ州をつなぐことを目指しています。

取り組みを推進する中心的な役割を担うのが、コペンハーゲンに拠点を置くAlfa Lavalの食品・水事業部。

同社は精密発酵バイオマス発酵といったバイオプロセス技術の可能性を引き出し、栄養価の高い新たな機能性食品の創出を目標としており、パートナーシップに基づき栄養・健康分野のイノベーション支援戦略をグローバルに推進。

先日、人口増加に対応した新製品の開発と量産化を行う食品メーカーを支援すると同時に、環境影響を低減することを目的に、コペンハーゲンに食品応用・イノベーションセンターを設立すると発表しました。

研究室から産業規模への道筋を加速


世界的なバイオソリューションの主要拠点であるデンマークでは、企業や研究機関が食品・農業・健康分野への応用を進め、数多くの先進的な取り組みの拠点となっています。

一方、米国南東部に位置するノースカロライナ州も、州立大学や北米最大の研究拠点Research Triangle Parkを擁し、強力な学術研究と産業インフラ・投資を融合させた有数の地として台頭してきました。

州立大学には昨年、アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが立ち上げたファンド(Bezos Earth Fund)の支援により、代替プロテインに特化した研究センターも設置されています。

この両地域間の協力を通して、研究フェーズから産業規模への道筋が加速される見込み。

世界保健機関(WHO)は、不適切な食生活に関連する非感染性疾患(NCDs)を、世界的な死亡の主要な原因として特定しています。また、栄養不足や微量栄養素欠乏症は、依然として世界の多くの地域で存在します。

従来の農業生産だけでは持続可能性と栄養という二重の課題への対応が難しい中、精密発酵やバイオマス発酵といったバイオプロセスの強化は、食品に含まれるビタミンやタンパク質などの栄養素を強化し、両方の課題に同時に取り組む助けになると期待されます。

Alfa Lavalの食品・水事業を統括するSammy Hulpiauは、「真のブレークスルーは、大規模に人々に届けられるようになってはじめて意味がある」とコメント。自社の役割について、「イノベーターの研究室から工場現場への移行を助け、新しい食品が持続可能かつ手頃な価格で消費者に届くようにすること」と述べました。

参考記事:
Alfa Laval supports Denmark-USA biotech partnership to advance sustainable food production | PPTI News
Alfa Laval backs transatlantic biotech partnership for scalable food innovation

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