PARIMAがシンガポールにおける培養アヒル肉の販売認可を取得

フランスにおける培養肉のパイオニア企業PARIMAが、シンガポールで培養アヒル肉の販売認可を取得しました。培養鶏肉に続き、6カ月間で2度目の承認となります。

高級ガストロノミー市場から展開を計画


GourmeyVital Meatの合併により昨年誕生したPARIMAは、シンガポール食品庁(SFA)から培養アヒル肉の販売を認められたことで、2つの動物種について規制当局の認可を得た世界初の培養肉企業となりました。

昨年10月に培養鶏肉について得た同じ販売認可はVital Meatが提出していた申請に基づいていましたが、今回の申請はGourmeyが2024年に提出していたものでした。シンガポールではそのほか、GOOD Meat(鶏肉)、Vow(ウズラ肉)、Friends & Family(ペットフード用鶏肉)に対して販売認可が出されています。

CEOのNicolas Morin-Forestは、「両製品の商業展開に注力する新たな段階に入った」とコメントしました。「食品イノベーションにおいて効果的であると証明されている道筋を踏襲して、ハイエンドの美食市場からスタートする戦略だ。当社の培養アヒル肉はミシュランの星を獲得したシェフたちの支持を得ており、世界有数の食肉流通業者からも強い関心を集めている」とのこと。

ガストロノミー市場への参入に続いて、ターゲットを絞った小売市場への展開を計画しています。

グローバルな事業展開を進める同社は、欧州、アジア、北米で複数の認可申請を並行して行っており、規制当局との継続的かつ建設的な対話に尽力している最中。

中でも、サンドボックス制度の下で規制プロセスが加速している英国では、培養鶏肉およびアヒル肉の申請書類が唯一リスク評価段階に達しているといいます。オーストラリア・ニュージーランドでは、培養アヒル肉に関する申請書類が昨年10月に正式に受理されました。規制当局は、2026年8月を承認の目安としています。

低コストでの製品化に期待


PARIMAは培養肉製品の生産に、大型の工業用バイオリアクターで効率的に増殖する高性能な細胞株を使用しています。このプロセスは遺伝子組み換えなどの改変を一切必要とせず、細胞は食品グレードの栄養培地中で懸濁培養するため、製品の構造化に足場材も使用しません。

現在、パリ中心部にイノベーションセンターとパイロットプラントを運営し、400リットルのバイオリアクターを複数稼働させているほか、2,000リットルや5,000リットルの発酵タンクを備えた専用設備も保有しています。

これまでの分析では、生産コストを1ポンドあたり3.43ドル(キロ単価約1,200円)まで下げられると示唆されており、従来の食肉と同等価格での製品化に期待がかかります。

「アジア太平洋地域を含む主要市場のパートナー企業と連携して、分散型の生産プロセスを設計している。当社の細胞は標準的な工業用バイオリアクターで懸濁培養が可能なため、パートナー企業のインフラを一から再構築することなく、同じプロセスを導入できる」とMorin-Forestは説明しました。

また、安価な製品を実現するには適切な生産アーキテクチャが必要であり、「複雑な細胞分化や組織工学、足場、高価な成長因子に頼るアプローチでは、生産量に応じてコスト構造が最適化されない問題がある」と指摘。

「当初からこれらのコストを回避するよう努めた結果、懸濁培養、足場不使用、細胞分化なし、そして低コストの食品グレード培地と標準的な工業用バイオリアクターを用いる手法の開発に至った。このようなシンプルなアーキテクチャで拡張可能なプラットフォームを構築するのは逆に困難を極めるものだが、当社はすでに鶏とアヒルで実現させ、ほかの動物種も開発中だ」と述べています。

参考記事:
Nicolas Morin-Forest | LinkedIn
Parima gets regulatory approval for cultivated foie gras
Parima Gets Approval to Sell Cultivated Duck Under Gourmey Brand in Singapore
Parima secures regulatory clearance to sell cultivated duck in Singapore

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